社会化はDNAで遺伝するのではなく、社会で、学習する事により獲得されると社会学は言っている。
社会化に「失敗」した若者は、昨今、草食系若者と呼ばれている。草食系若者の子供たちは「社会化の担い手」を失う事により、再び、社会化に失敗するかも知れない。
しかし、人間は「社会的動物」であるとアリストテレスが紀元前数百年に看破している。現在、インターネットでは"Social"がキー・ワードに成って来ている。これは核家族化からの揺り戻しである。
ここ暫くは大きくSocialに振れ、極端な社会化へと向かうであろう。実生活での「個」は、ウェブ上で「関係態」を獲得して、これまでの緊張から開放されるであろう。Facebookの人気の秘密はここにある。つまり、それは、個人主義|Individualism( 「個人主義は、個々の人間の人格の独自性と自律性を重んじる立場であり、その時々に形成された場の空気に流されることのない、一個人としての一貫性のある深く統合された思想と責任ある行動を高く評価する」は人間の自然に反するので個である事は緊張をもたらす)を含む個の実生活での緊張からの開放の世界的希求である。だが、これはウェブ上での仮想的な社会化である。
マーヴィン・ミンスキーの「心の社会」から予感されるように心は関係態で、ウェブ上で獲得した関係態は仮想的心であるのかも知れない。
【大学サイエンスフェスタ】心の社会性 亀田達也 (北海道大学大学院文学研究科・教授)
2009/12/12 66:35
興味深い実験多数
23:40 2010/09/12
本来の心は希薄に成り、仮想的心が顕在化するにつれて、新たな心身問題が浮上してくる。つまり、"virtual mind - body problems"。
SNSが進展してVR(Virtual Reality)が現実なるとbodyはvirtual bodyとなり、"virtual mind - virtual body problems"が出現するであろう。
ここで、古典的心身問題である"the mind-body problem" とウェブ時代が生む "virtual mind - virtual body problems"との相互関係が心の哲学の新たな課題として浮上して来るように思われる。又、新たな心の病が予感される。
進化上の新たな試練である。ヒトは、如何に、この試練に立ち向かうのか?
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