2010年8月18日水曜日

「時間」要約

参照:Wikipedia 時間
文献
1. J.ウイツロウ著、柳瀬睦男/熊倉二訳、「時間 その性質」、らいぶらり選書/法政大学出版局、1995

時間は、物事の変化を認識するための概念である。

芸術、哲学、自然科学、心理学などの重要なテーマとなっている。

それぞれの分野で異なった理解のしかたがある。

目次
1 日常使われる時間
2 時間の単位
3 古典的な哲学における時間
3.1 アウグスティヌス
3.2 カント
3.3 仏教
4 自然哲学および自然科学での時間
4.1 ニュートン力学での時間
4.2 相対性理論での時間
4.3 時空
4.4 相対性理論後
5 近年の哲学における時間
5.1 ベルクソンの説明
5.2 バシュラールの説明
5.3 大森荘蔵の説明
6 時間の速さ
7 時間の向き
8 時間の構造-仮説的ないし架空のものも含む-
8.1 円環時間
8.2 時間の両端
8.3 分岐時間
8.4 不連続な時間
8.5 虚数時間
8.6 バラバラな時間
9 時間への操作-仮説的ないし架空のものも含む-
9.1 時間進行の操作
9.2 時間進行の逆転
9.3 時間軸上の移動(タイムトラベル)
9.4 時間を隔てた観測
10 出典 脚注
11 関連項目
12 関連文献
13 外部リンク

10:47 2010/08/18


1 日常使われる時間

本項目で説明する時間という言葉は、現代の日常においては、互いに似てはいるし強い関連もあるが厳密には異なるいくつかの意味で使われている。

1. 時刻と時刻の間、またはその長さ。
2. 時刻。つまり、時の流れの中の一点のこと
3. 時(とき)そのもの。つまり、過去・現在・未来と流れてゆくものであり、哲学的表現では、空間
と共に、認識のまたは物体界の成立のための最も基本的で基礎的な形式をなすものであり[1][2][3]、いっさいの出来事がそこで生起する枠のように考えられているもの[4]。

類義語の「時間」「時刻」「時(とき)」の第一の意味として、「時間」には上記1を、「時刻」には上記2を、「時(とき)」には上記3を挙げている辞書が多い[1][2][3][4][5]。特に、時刻の意味で時間という言葉を用いるのは、日常語[3]、ないし俗語[2][5]とする辞書もある。日本語と英語で1の意味の時間を示す表現には例えば、5時間(five hours)、2日(2日間、two days)、4ヶ月(four months)などがあり、2の意味の時間(時刻)を示す表現には例えば、5時(five O'clock)、2日(the second day)、4月(April)などがあり、この二つの意味を区別して表現することが可能である。

1. の意味の時間、すなわち時の長さや時間間隔や期間を定める量は、古来より天体の動きをもとに計られ、やがて様々な時計により計られるようになり、現在では国際単位系における基本物理量のひとつとされて世界的に統一された単位が定義され、社会生活や産業活動においてよく使われている。

2. の意味の時間すなわち時刻は、基準となる時刻から計った1の意味の時間の長さにより、数値的に表現できる。[6][7]

3. の意味の時間すなわち時(とき)そのものは、日常および哲学においては流れとしてとらえられることが多い。例えば時(とき)とは、過去から未来に絶えず移り流れる[3]ものであり、過去・現在・未来と連続して流れ移ってゆくと考えられ[1]、過去・現在・未来と連続して永久に流れてゆくもの[5]であり、過去から未来へと限りなく流れすぎて[4]ゆくものである、とされる。流れに速さと向きがあるように、時間にも速さと向きを想定することができ、それぞれ節に分けて解説する。また3の意味の時間をひとつの直線(時間軸)のように固定されたものと捉えれば、我々の方が時間軸に沿って過去から未来へ移動するという捉え方もできる。[8]
20:36 2010/08/31

続く








10 出典 脚注


  1. ^ a b c 「日本国語大辞典-第六版」小学館 2001年6月

  2. ^ a b c 「広辞苑-第五版」岩波書店 1998年11月

  3. ^ a b c d 「国語辞典-第六版」岩波書店 2000年11月

  4. ^ a b c 「大辞林-第三版」三省堂 2006年10月

  5. ^ a b c 「日本語大辞典」講談社 1989年11月

  6. ^ 1の意味の時間は比率尺度または比例尺度だが、2の意味である時刻は間隔尺度である。
  7. ^ (あまり日常とは言えないが、ここで数学的な概念との連関を説明すると)数値的に表現された時刻を直線上の点として表せば、1の意味の時間はこの直線上の二点間の間隔に対応し、3の意味の時間のイメージはこの直線全体に対応させることができる。この直線は、ダイヤグラム、年表、工程表などで想定される時間軸に相当し、時間の図的表現として社会生活や産業活動などにおいて、また自然科学や歴史学などの研究手段としてよく使われている。

  8. ^ (日常ではないが)、ニュートン力学や相対性理論における時間軸と空間軸を使った座標系での質点の運動という捉え方や、ファインマンダイアグラムにおける時間軸に沿った素粒子の運動などはその例である。

  9. ^ 自然科学分野に限らず、先進国の子供や老人も含めて、という意味。

  10. ^ これに関しては「時間は林檎のような物ではない」「戦争のような出来事ではない」「特定の物に備わっている性質やそのカテゴリーでもない」などといった「〜ではない」系の表現も多々見られる[要出典]。ただし、「〜ではない」系の表現は、実際は誰でも(幼稚園児でも)簡単に数百でも数千でも(ほぼ語彙の数だけ)作れるものである。この類の表明は、一種の存在論的表明と見なすことも可能ではあるかもしれないが、(衒学趣味の人間や、ただの評論家や、若者などがこの類の表現を多用する傾向があり[要出典])、単なる言葉遊びにすぎず、ほとんど無意味な表明、と見なすことも可能である。哲学的探求とは通常、これ以上の記述を構築してゆくものである。

  11. ^ 出典. アウグスティヌス『告白』第11巻第14節
  12. ^ ただし湯川秀樹は、ニュートンは自然の空間や時間が本当は均一ではない、と睨んでいたからこそ、あえて自らの体系の中で仮想されている空間や時間を「絶対空間」や「絶対時間」と呼んだのだ、といったことを指摘している(出典:『湯川秀樹著作集』岩波書店)

  13. ^ 「アインシュタイン自伝ノ-ト」東京図書 1978年9月 ISBN 448901127X p77-80

  14. ^ 培風館『物理学辞典』

  15. ^ 時間に最小単位が無いとすると、さる理論のさる系のランダムさが無限に増大してしまうことになる、という理論上の難点を、プランク時間を導入すると解消できた、とも説明されている(出典:培風館『物理学辞典』)

  16. ^ 本川達雄『ゾウの時間、ネズミの時間』中央公論社、1992年、ISBN 4121010876

  17. ^ ピーター・コヴニー;ロジャー・ハイフィールド「時間の矢、生命の矢」草思社 1995年3月 p15

  18. ^ a b 田崎秀一「カオスから見た時間の矢―時間を逆にたどる自然現象はなぜ見られないか」(ブルーバックス)講談社 2000年4月 p18

  19. ^ 寺田寅彦「映画の世界像」寺田寅彦全集第八巻岩波書店 1997年 所収 p150

  20. ^ ピーター・コヴニー;ロジャー・ハイフィールド「時間の矢、生命の矢」草思社 1995年3月 p28

  21. ^ Arthur Stanley Eddington "The nature of the physical world (The Gifford lectures)" MacMillan(1943)アマゾンでの販売

  22. ^ ウィキペディア英語版"時間の矢"

  23. ^ 戸田盛和「物理読本(1) マクスウェルの魔―古典物理の世界-」岩波書店 1997年10月 p108

  24. ^ 藤原邦男;兵頭俊夫「熱学入門―マクロからミクロへ」東京大学出版会 1995年6月 3章

  25. ^ a b c 長倉三郎、他(編)「岩波理化学辞典-第5版」岩波書店 1998年2月 "可逆性"、"時間反転"

  26. ^ 渡辺 慧 「時間の歴史―物理学を貫くもの」東京図書 1987年5月

  27. ^ ピーター・コヴニー;ロジャー・ハイフィールド「時間の矢、生命の矢」草思社 1995年3月 p19,70

  28. ^ 本来時間そのものは図示できるものではないが、この時間のありかたを、あえて図式で表現すると、直線ではなく線分に相当するとも考えることは可能である

  29. ^ タイムトラベルを扱うSFや疑似科学ではタイムパラドックスの解消のために分岐時間を使う、などという設定、発想が多く見られる。

  30. ^ 山本弘「トンデモ本?違う、SFだ!」 洋泉社 2004年7月

  31. ^ 谷川 流「涼宮ハルヒの憂鬱」(角川スニーカー文庫)角川書店 2003年6月


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